視姦に沈む (ガッシュ文庫)

「視淫に溺れる」で悪役だった弥上と精神科医の紺野の恋物語です。イラストは、前作に引き続き笠井先生です。他の方が書かれていますが、前作の続きになっていますので、できれば前作を読んでからの方が色々と楽しめるかと思います。でも、今回もとても良かったです。物語の中に辛い部分も甘い部分もしっかりとあり、読者を飽きさせる事無く、最後までワクワク＆ドキドキさせながら読むことができます。特に、弥上の過去とか二重人格の謎とかを最後の最後で明かすのですが・・・そうなってしまうのも仕方がないとちゃんと納得できる内容になっています。そして、弥上の優しい紳士的な部分と、残酷な悪人のような部分のギャップもたまらなくて。。。紺野だけではなく読者も惹かれてしまうくらい、魅力的な男性となっています。また紺野の、たとえどんな目に遭っても決して揺らぐことがない弥上への献身的な愛情も良かったですね。冷静な判断が下せる精神科医としての面と、理性的になれずにどんどん恋に溺れていく人間らしい面とを持つことで、とても好感が持てました。また、最初から最後まで、互いへの強い執着とか愛情とか・・・すべてに「運命」を感じさせますし。前作でもそうでしたが、特殊能力を持ったが故の苦しみの部分もあるので、マイナーと言えばマイナーな話ですが、読後はきっとホッとできるはず。ということで。。。興味のある方は、是非とも前作を読んでから、こちらをお読みください。