「超」怖い話 Τ(タウ) (竹書房文庫)

全31話です。去年発行の2冊がちょっと弱めかなと思っていたせいもあってか、今回はちょっと回復した気がします。なかなか興味深い話も多いです。ただ、決まり事な訳でもないのですが、今までは最後の方に大ネタを持ってくる傾向があったのですが今回はラストが逆に弱めだったかなと思います。著者である松村氏に関して言えば、実話怪談を書き始めてもう5年になるそうですが、心身共にガタが来ていることがやや気がかりです。個人的にオススメは、責任問題不詳の断片掴む手ご注意忘れ物写真屋名乗りバンザイ再スモークおいてけマニュアル犯罪者裏の病院です。〈ご注意〉〈忘れ物〉〈写真屋〉〈バンザイ〉〈再〉〈スモーク〉〈おいてけ〉と今回は気に入った話が多かったです。どれもとても怖いというわけではないのですが、どこか不気味さが漂う良い話ばかりです。ただ欲を言うと最後の方に持ってくる話ももうちょっと興味深いものであったらなと思いました。