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システムの科学
本, ハーバート・A. サイモン
によって ハーバート・A. サイモン
4.8 5つ星のうち 8 人の読者
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商品説明 システムについての議論はどこまで進化しているのか? 自然界における事象を単純なモデルとして置き換える作業から始まったこれらの議論は、より複雑なものを取り扱うことができるように進化を続けてきた。自然現象のみならず、経済、社会などの人間活動から生み出される世界についても多くの議論が続けられているのが現状である。 本書はシステム(原題では人工物)について、その可能性と本質について論じたものだ。本書で定義される人工物とは人間が何らかの恣意(しい)をもって構築したものすべてである。すなわち工学的なマテリアルやシステムはもちろんのこと、経済や企業などの特定の目的をもつ組織も含まれ、認知心理学、経済学、工学的デザイン論を通して人工物の科学の本質を明らかにしている。著者は政治学、経済学、コンピュータ工学など広範な分野に精通しており、その豊富な見識を駆使して本書を書き上げている。多岐にわたる話題についてどのようなアプローチがいままでに試みられ、そしてそれらがどのような成果を出し、またどのような意味があったのかを分析し、解説し、そして結論づけることを試みている。われわれが作り出すすべての人工物に対する科学の可能性を論じ、すべての人工物の集合であるところの文明の構築理論を論じているのだ。 学識者ならずとも理解できるように練りこまれた内容は著者の力量をうかがわせる。われわれがどこまでシステムにアプローチできるのか、どのように扱うことができるのかを模索したい人におすすめ。(斎藤牧人) 内容紹介 「人工物の科学はいかに可能であるか」 本書は必然性ではなく、環境依存性――「いかにあるか」ではなく「いかにあるべきか」――に関与するデザインの諸科学、すなわち人工物の科学(The Sciences of the Artificial)の本質を明らかにし、その可能性をとうものである。 1968年マサチューセッツ工科大学(MIT)、そして1980年カリフォルニア大学バークレー校における講演をもとに経済学・認知心理学・工学的デザイン論など広範な領域に関する議論を通して人工物の科学、ひいては「文明構築の論理」はいかなるものかを明らかにしていく。 ノーベル経済学賞記念講演より「企業組織における合理的意思決定」を記録。 内容(「BOOK」データベースより) 「人工物の科学はいかに可能であるか」本書は必然性ではなく、環境依存性―「いかにあるか」ではなく「いかにあるべきか」―に関与するデザインの諸科学、すなわち人工物の科学(The Sciences of the Artificial)の本質を明らかにし、その可能性を問うものである。 内容(「MARC」データベースより) 人工物の科学の本質とその可能性について、経済学・認知心理学・工学的デザイン論など広範な領域に関する議論を通して考え、「文明構築の論理」を明らかにする。87年刊に続く原著第3版の翻訳。 著者について 1916年、米国ウィスコンシン州ミルウォーキー生まれ。1949年よりカーネギー・メロン大学コンピュータ科学・心理学教授(Richard King Mellon University Professor)。 2001年、ピッツバーグにて逝去。 人間の意思決定、および問題解決過程をコンピュータ・シミュレーションなどにより研究。コンピュータ科学はもちろんのこと、広範な研究分野すべてにおいて偉大な業績を挙げた。 1943年に政治学でシカゴ大学にて博士号を取得したのをはじめとして、イェール大学、ケース工科大学、その他の多くの大学より博士号を贈られた。 全米学術会議会員、アメリカ経済学会特別会員、全米研究協議会行動科学部会会長、大統領科学諮問委員会委員などを歴任。1978年度ノーベル経済学賞受賞。その他、チューリング賞(1975年)、アメリカ国家科学賞(1986年)、米心理学会特別科学貢献賞、米政治学会ジェームズ・マディソン賞などを受賞している。
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本書内における付論「企業組織における合理的意思決定」を理解されている経営者の方が日本にどれだけいるかと身につまされる昨今ですが、学識者だけでなく企業経営者および管理職クラスの方々(とりわけ所謂大企業、大規模組織に従事、経営されている方々)がこのようなことを知っているかは様々な事象が複雑化している現代においてはかなり重要ではないかと思う次第です。著者のサイモンはノーベル経済学賞を受賞した20世紀を代表する知識人です。人間の意思決定や問題解決過程をコンピュータ・シミュレーションなどで数理的かつ科学的に研究していた人で、その専門分野から応用的で広範にわたる分野まで多大な研究成果があります。本書では「人工物」とは何か、そして「いかにあるべきか」まで、その対象を単純な物のみならず、人間の作り上げる社会、文明まで範囲を広げ、「確かな切り口」を持って本質を明らかにしようとしています。「システム論」の古典的名著としての性質から察せられる通り、抽象的な概念が多く論じられている本書ですが、それはサイモンの研究において核となる考え、エッセンスがつまっているからに他ありません。それだけに内容も非常に濃いものとなっています。読む人それぞれの経験や考えが抽象的概念で説明されているときにはハッとすることもあるでしょう。そのことが本書に説得性を増すことにもなると思います。システム論を学ぶ人、経済学などの社会学を学ぶ人、さらには冒頭でも述べた通り経営者や管理職の人までも、本書を読むことが有益となるのではないでしょうか。やや古典ではありますが、多くの者が多様化する組織に属する現代において、こういうシステム的な考えを説いている本が「教養」として多くの人に理解されれば、より先進的な社会になるのではないかと思います(特に日本に不足しがちな考えではないでしょうか)。
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