人口減少社会という希望 コミュニティ経済の生成と地球倫理 (朝日選書)オンラインブックダウンロード

人口減少社会という希望 コミュニティ経済の生成と地球倫理 (朝日選書)

, 広井良典

によって 広井良典
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内容紹介 人口減少はこれからの日本にとって希望ある転換点ではないのか。 大佛次郎論壇賞ほか数多くの受賞暦をもつ著者が、 人類史のなかに人口減少社会を捉え直し、 成長・拡大路線から脱し、 持続可能な福祉社会に向けてコミュニティ経済を提言する注目の書。 【目次】 はじめに/人口減少社会という希望 第I部…人口減少社会とコミュニティ経済――ローカルへの着陸 1.ポスト成長時代の価値と幸福 2.コミュニティ経済の生成と展開 3.ローカル化が日本を救う 4.情報をコミュニティの進化 5.鎮守の森・自然エネルギーコミュニティ構想 6.福祉都市または人間の顔をした環境都市 7.環境政治の時代――3大政党プラス“緑"へ 8.緑の福祉国家あるいはエコソーシャルな資本主義 第II部…地球倫理のために――科学・宗教・福祉またはローカル・グローバル・ユニバーサル 1.「自己現実」と「世界実現」 2.「古事記」と現代生命論――アジア/地球に開かれたアイデンティティに向けて 3.「成長のための科学」を超えて 4.「もうひとつの科学」とは可能か 5.統合医療の意味 6.日本の福祉思想――喪失と再構築 7.地球倫理の可能性 8.自己形成的な自然――地球倫理と宇宙 内容(「BOOK」データベースより) 私たちが直面しつつある「人口減少」問題は、悲観すべき事態ではなく、むしろ希望ある転換点、真に豊かで幸せを感じられる社会への格好の入り口ではないのか。明治維新以降そして第2次世界大戦後の日本人は、経済成長・拡大路線をひたすら走り続けてきた。人類史のなかで第三の定常化社会に入りつつある今こそ、人々の意識と社会のありようは大きな転換を迫られている。ローカルな地域に根ざしたコミュニティ経済と、「地球倫理」とも呼ぶべき価値原理。大佛次郎論壇賞ほか数多くの受賞歴をもつ著者が、日本が実現していくべき新たな社会像とその具体的イメージを大胆に提示する。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 広井/良典 1961年岡山県生まれ。千葉大学法経学部教授。東京大学教養学部卒業(科学史・科学哲学専攻)、同大学院修士課程修了(相関社会科学専攻)。厚生省勤務を経て1996年千葉大学法経学部助教授、2003年より現職。この間2001‐02年マサチューセッツ工科大学(MIT)客員研究員。社会保障や環境、医療・福祉、都市・地域にかんする政策研究から、時間、ケア、死生観等をめぐる哲学的考察まで、幅広い活動を行っている。著書に、『日本の社会保障』(エコノミスト賞受賞)『コミュニティを問いなおす』(大佛次郎論壇賞受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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著書『人口減少社会という希望』というタイトルは、おそらく出版社が決めたのではないだろうか。著者である広井良典氏自身は、人口減少を積極的に推進しようとしているのではない。人口を増やして大きな労働力を創出し、税収を増大させることを国是とし、強い国力を備えるという従来型のアメリカや中国的発想から転換すべきであると主張しているだけである。その意味から、この著書の中で傾聴に値する内容は随所に見られる。福祉政策としての優れた提案も多く、大変興味深いものである。本著のみならず、広井氏の近著では、一つの大きな疑問に対する解決策に収斂してきている。つまりそれは、ひたすら持続的に経済成長は続かない「定常化社会」の現実において、目指すべき国民の幸福とは何か?そしてその実現に向けて何が必要であるか、ということである。そもそも人はどのような条件が整えば、幸福となるのであろうか?卑近な言い方であるが、経済的に豊かでありさえすれば、ほんとうに幸福になれるのだろうか?当然政治的な観点における幸服追求というのは、それが第一義的であることは否定できない。老若男女を問わず、国民が食べてゆけること、健康で安全に暮らしてゆけることこそが、国の政策の根幹であることは確かなことである。しかし、現代の日本の多くの若者世代は、雇用の総量が減少してゆく中で、正規の職業に就くこともできず、失業率は他の世代よりもはるかに高いのだ。これは、ある意味、彼らは疲弊の中で生きているということであり、この問題は若者に対する表層的な批判(例えば、ゆとり世代のつけなどというのもその一つ)を行なうことにより、解決される単純なものではない。さらに、今後の老齢者に対する現在の政策についても、老齢者たちの幸福につながるようにも思われない。年金や介護の問題は、今後はますます切実さを増してゆくであろう。日本における一つの負の現象として、近年の自殺者はその未遂者も含めると10万人にも及ぶというこの事態はどういうことだろう。本書でもこのような社会問題の解決方法として、社会保障と税の問題に言及しているのは重要なことだが、今後は成長が分配の問題を解決してくれる時代は終わったのだから、公正で公平な分配の問題というものに真剣に取り組まねばなるまい。著者の提言の重要な一つの指摘の中で、高齢者向けの社会保障ではなく、「人生前半の社会保障」という考え方は注目に値する。これは教育の無償化や給付型奨学金の実現である。経済的に豊かでないために学校へ行けないなどということは、今後絶対にあってはならない。国は若者への投資を拡大させて、若者の可能性ある人生実現のために背中を押すべきである。そしてそれが将来の国のためにもなるはずである。その財源確保のための公平で抜本的な税制改革を、早急に行うべきであろう。最後に広井氏のもっとも素晴らしい点を挙げたい。それは彼の経済的政策提言の根本にある倫理観であり、それが一つの壮大な文化論を構築していることである。非生物的な機械論的思想が資本主義を発展させたが、現代科学に至っては、宇宙科学を含む物質科学においてさえ、エコロジカルな生命論というものを置き去りにすれば、成立できない状況になっている。つまり、現代の物理化学的自然現象においても様々な「秩序形成」が存在し、従来の「エントロピー増大則」に反することがわかってきており、そこに日本の「古事記」的世界観を引用して論述しているのである。そして結局は、人間的幸福はそのような世界実現を可能にする生命論の上にこそ生まれ、それこそが、グローバルに生きることが運命付けられている現代人が、世界的な空間で幸福な共存・共生をしてゆく上での大切な思想であると説いている。広井氏の主張は、よくありがちな机上の空論ではなく、いつも実現可能性のある具体的な発想に根ざしている。もちろん、彼の提案が実現可能なものになるかどうかを予想することは難しい。しかし大切なヒントになることは確かである。これはあまりにも壮大で深い内容であり、広井氏の洞察力ある卓見には敬服する。是非一読をお勧めしたい。

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