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ヒッチコック
本, エリック・ロメール
によって エリック・ロメール
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内容紹介ヌーヴェルヴァーグが ヒッチコックを顕揚する 1957年フランス、二人の駆け出しの映画作家が、世界で初めてヒッチコックの全作品を徹底的に論じ上げた──。秘密と告白、運命と意志、悪の誘惑、堕罪と救済、そしてサスペンス。通俗的な娯楽映画という世評に抗し、ヒッチコックの華麗な演出に潜む形而上学的主題へと迫った、ヌーヴェルヴァーグによる「作家主義」の記念碑的書物。 「ヒッチコックは、全映画史の中で最も偉大な、形式の発明者の一人である。おそらくムルナウとエイゼンシュテインだけが、この点に関して彼との比較に耐える。(……)ここでは、形式は内容を飾るのではない。形式が内容を創造するのだ。ヒッチコックのすべてがこの定式に集約される。我々が証明したかったのはまさにこのことである。」(本書「結論」より)内容(「BOOK」データベースより)1957年フランス、二人の駆け出しの映画作家が、世界で初めてヒッチコックの全作品を徹底的に論じ上げた―。秘密と告白、運命と意志、悪の誘惑、堕罪と救済、そしてサスペンス。通俗的な娯楽映画という世評に抗し、ヒッチコックの華麗な演出に潜む形而上学的主題へと迫った、ヌーヴェルヴァーグによる「作家主義」の記念碑的書物。商品の説明をすべて表示する
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ロメール+シャブロルはトリュフォーと異なり、ヒッチコックの『山羊座のもとに』を高く評価している。同じイングリッド・バーグマン主演の『汚名』に関しては、二つのヒッチコックの書物における最高度の評価は同じだ。久しぶりに『山羊座のもとに』を観なおし、それなりに面白いところはあったものの、やはりトリュフォーのほうの否定的な評価に軍配を上げたいと思った。だが『汚名』については、トリュフォーとヒッチコックの熱のこもった対話以上に、ロメール+シャブロルの文章に惹きこまれる。たとえば、ケーリー・グラントとバーグマンの「二つのラブシーン」の比較。《テラスでの最初の場面は、まさしく皮膚の水準にある。この場面は、互いにくっ付き、我々の目にも付いて離れない二人の人物の、一連の口腔の接触として現れる。この満たされることがなさそうなキスへの渇望は、愛が不在のときの肉の虚しさを表す。二つ目の場面では、単なる肉の接触はもはやなく、真の感情がある。アリシアを死から救出しに来たデヴリンは、マイアミの酒宴の後で登場した際と同じように影の中から現れ、カメラは極めて優しく官能的な動きで二人の恋人たちの周囲を回り、そのときスクリーンは、ヒッチコックがムルナウの許にその秘密を汲み尽くしに行った名状しがたい美によって輝く。》その長さにおいて有名なラブシーンに愛が不在だったかどうかは別として、少なくともラストに近い、男が死に瀕した女を救うシーンに至る時間の流れのなかで、いやおうなく愛が真になる過程は、ロメール+シャブロルがこの映画の物語を要約した部分でも表現されている。堅固なシナリオと細心な演出がかもしだすものに言葉の批評性を集中させたあらすじというべきであり、読むだけで感動してしまう。《古典的な「恋のいざこざ」を遥かに超えたもの》をあらためてそこに見出すしかない。ヒッチコック自身による豪勢な種明かしがたっぷり楽しめる『映画術』と違って、本書は小ぶりながら読みこなすのが少しきつい本格的な映画作家論である。だが三年半もかけたという丁寧な訳と詳細な註に長めの解説が付され、楽しみをこえた世界に連れていかれる。このかなり煩瑣な論述をパーフェクトには理解できなかったが、それでもなんとなく私は、たとえばアメリカにおけるヒッチコックの模倣者の映画がつまらなく、少しも「ヒッチコック的」ではない理由が、この本に隠されているのではないかなどと思った。
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