源氏物語〈第6巻〉宿木~夢浮橋 (ちくま文庫) pdf無料ダウンロード

源氏物語〈第6巻〉宿木~夢浮橋 (ちくま文庫)

, 大塚 ひかり

によって 大塚 ひかり
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内容(「BOOK」データベースより) 中の君は匂宮と結ばれ二条院に迎えられるが、匂宮はほどなく右大臣家の婿となる。一方死んだ大君を忘れられない薫は、中の君に面影を求めて迫るが、かわされる。そんな二人の前に現れた、中の君の異母妹・浮舟。二人の貴公子の欲望に翻弄される浮舟が、絶望の果てに選んだ道は…コミュニケーションがうまくできない男と女。長い物語の最後はあまりに唐突ながら、深い余韻を残す。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 大塚/ひかり エッセイスト。1961年、神奈川県生れ、早稲田大学第一文学部日本史学専攻卒業。出版社勤務を経て、1988年、失恋体験を綴った『いつの日か別の日か―みつばちの孤独』(主婦の友社)以後、古典エッセイが多数ある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ずっとpendingになっていた大塚ひかりの源氏をやっと読了。いろいろな諸事情で遅れてしまった。お恥ずかしいかな、実は中古で読んできたため。この種のシリーズものは巻が後ろになればなるほど、安い値段では中古に出てこないようだ。おそらく「源氏物語」のようなシリーズものは、後ろに行けばいくほど、脱落者が出て購入者が減ってくるようで、また5巻とか6巻を買う人は、相当なコアな読者なので、読んだ後も中古には出さない。というわけで中古の値段が高止まりしてしまうようだ。今回は、ちょうどwinndow of opportunityが開いたため購入できた。数年ぶりに読んだ大塚ひかりの源氏だったが、面白い。恥ずかしながら、源氏の原文は読んでいないが、これまで、与謝野、橋本治、寂聴の現代語訳で読んできた。どれも読むたびに新しい発見がある。今回の大塚ひかりの源氏は特に面白かった。大塚ひかりの源氏の特徴はひかりナビにつきる。いくつかのパラグラフの後に登場するひかりナビは、オブラートに包まれた源氏物語の核に読者を連れて行ってくれる。これにより一見丁寧で毒が消毒された普通の言葉(たとえば「見る」)や丁寧語や謙譲語に特徴づけられる会話(平安版politically correct語か!)そして膨大な和歌の背後に潜んでいる現実(本歌取りや掛詞等)へ接近することが可能となる。これににより、読者は、想像もつかなかった人間関係と身分社会の下で呻吟していた人間の生きざまにリアルに接近することが可能となる。源氏は決してきらびやかな貴族社会の物語ではない。源氏の退場のシーンはそうだし、登場する男性には、その容貌は別として、性格や性癖の点では、ろくな人物しかいないのだ。この第六巻は宇治そして源氏のフィナーレを飾る部分だが、この男性のダメさ加減という観点からは、一番面白いのでは。徹底的に男性のいやらしさが繰り返し指摘されるのだ。尻切れトンボとの評がなされる「夢浮橋」だが、今回再読してみると、これ以外の終わり方はあり得なかったとの認識を確信する。自殺、出家そして僧都からの還俗の勧めへと流れていく部分は圧巻。そして最後の結語。ただこのひかりナビは曲者だ。あまりにもわかりやすいのだが、ここには大塚ひかりの思い(源氏物語は召人の物語)が凝縮されており、ある時点で、原文を読んでいない読者は、源氏を読んでいるのか、それとも「大塚源氏」を読んでいるのかがわからなくなる。そうひかりナビは大塚氏による巨大な洗脳の道具なのかもしれない。今回は十分に洗脳された。この洗脳の毒気を抜くためには、waleyの英訳を読むのがいいのかも。まだ原文には近寄れないな。

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